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日本のサイトがグローバルでトラフィックを獲得するためのSEO/Generative Engine Optimization(GEO)戦略

|Fumi Nozawa

日本のサイトがグローバルでトラフィックを獲得するためのSEO・Generative Engine Optimization(GEO)を解説。英語化では解決しない原因と、海外向けに評価される情報設計の考え方について解説します。

日本企業や日本発のサービスが海外市場を狙うとき、多くの場合「英語ページは作ったが、検索から人が来ない」という壁にぶつかります。
Search Consoleを見ても、表示回数は増えず、生成AIの回答にも自社の情報はほとんど出てこない。これは珍しい状況ではありません。

問題は英語力ではありません。
グローバルSEOやGEOでは、日本国内向けのサイト設計や情報の出し方そのものが前提としてズレていることがほとんどです。

この記事では、日本のサイトが海外検索・海外ユーザー・生成AIにどう見られているのかを踏まえ、何をどう変えるべきかを整理します。

日本のサイトが海外で評価されにくい根本的な理由

日本向けのWebサイトは、文脈共有を前提に作られていることが多いです。
業界背景、商習慣、企業の立ち位置を「分かっている人向け」に書く構造になっています。

一方、海外ユーザーや検索エンジンは、その前提を一切持っていません。
ページを開いた瞬間に理解されるのは、書かれているテキストと構造だけです。

その結果、日本のサイトは海外から見ると次のように見えがちです。

何を提供している会社なのか分からない。
どの課題を解決するサービスなのかが曖昧。
誰向けなのかが読み取れない。

これはSEOでもGEOでも致命的です。
検索エンジンも生成AIも、「理解できない情報」は評価しません。

グローバルSEOは英語化ではなく情報設計の問題

多くの日本企業は、まず日本語ページを作り、それを英語に翻訳します。
しかし、海外向けSEOではこの順番自体が間違いになることがあります。

なぜなら、日本語ページは日本市場向けの検索意図を前提に作られているからです。

海外ユーザーの検索は、より直接的で、課題中心です。
「何かを調べる」よりも、「今困っていることを解決したい」「選択肢を比較したい」という意図が強く出ます。

たとえば、日本では成立する以下のような構成は、海外では弱くなりやすいです。

まず背景説明があり、最後に結論が出てくる。
抽象的な表現が多く、具体例が少ない。
機能説明よりも思想や姿勢を重視している。

グローバル向けでは逆になります。
最初に「何ができるのか」「誰のどんな問題を解決するのか」を明確に示し、その後に理由や詳細を補足する構造が求められます。

これは翻訳の問題ではなく、ページ設計の問題です。

グローバルで通用するコンテンツ構造とは何か

海外で評価されるページには、共通した特徴があります。
文章がうまいかどうかより、「読み手が迷わないか」が重視されます。

具体的には、次の点が重要になります。

ページの冒頭で、このページが何について書かれているかが分かること。
想定読者が誰かが明確であること。
具体的な使い方や利用シーンが書かれていること。
制限事項や前提条件が隠されていないこと。

日本向けサイトでよくある「察してもらう構造」は、海外では機能しません。
SEO的にもGEO的にも、明示されていない情報は存在しないのと同じ扱いになります。

海外SEOでは「企業紹介ページ」が重要になる

日本では、会社概要ページは最低限で済まされがちです。
しかし、グローバルSEOではこのページの重要度が一段上がります。

海外ユーザーは、その会社がどこにあり、何をしていて、どの分野の専門家なのかを強く気にします。
生成AIも同様に、情報の発信元を重視します。

そのため、以下のような情報は英語で明確に書かれている必要があります。

どんな業界の、どんな課題を扱っている会社なのか。
どの市場や地域に強みがあるのか。
どんな実績や事例があるのか。

これはブランディングではなく、SEOとGEOのための基礎情報です。

Generative Engine Optimizationで意識すべき現実的なポイント

生成AIに引用されやすいコンテンツには、共通する傾向があります。
それは「一部分だけ切り取られても意味が通じる」ことです。

日本語コンテンツでは、前後関係を読まないと理解できない文章が多くなりがちです。
しかし生成AIは、文脈を保証してくれません。

そのため、グローバル向けGEOでは以下が重要になります。

専門用語は必ず定義する。
比較や判断基準を文章として明示する。
「なぜそう言えるのか」を短く説明する。

FAQ形式や手順説明が有効なのは、分かりやすいからではなく、切り出して再利用しやすい構造だからです。

技術的SEOは前提条件でしかない

hreflang、URL設計、ページ速度などは重要です。
ただし、これらは「評価されるための最低条件」に過ぎません。

内容がグローバル市場向けに設計されていなければ、どれだけ技術的に正しくても伸びません。
特に日本サイトの場合、技術は整っているが中身が国内向け、というケースが非常に多いです。

最後に : グローバル向けにSEO戦略を組み立てましょう

日本のサイトがグローバルでトラフィックを獲得できない理由の多くは、SEOのテクニック不足ではありません。
情報の出し方が、日本市場向けのままになっていることが原因です。

海外ユーザー、海外検索エンジン、生成AIは、日本の文脈を補完してくれません。
だからこそ、最初からグローバル視点で情報を組み立てることが必要になります。

英語で書くことよりも、
「海外の誰が、どんな状況でこのページを見るのか」を具体的に想定すること。
それが、グローバルSEOとGEOの出発点です。

Fumi Nozawa

Fumi Nozawa

デジタルマーケター & ストラテジスト

Paul Smith、Boucheronといったグローバルブランドでデジタルマーケティングを担当。現在は海外を拠点に、戦略設計からWeb実装までを牽引。マーケターとしての視点とテクノロジーへの理解を活かし、欧米企業の日本進出やブランド成長を支援しています。

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